ひとりの人間の「生まれてから死ぬまで」を
3つの数字で読み解く。
2020年3月発売
装丁:アルビレオ
イラスト:牛久保雅美
執筆協力:高橋扶美
編集:飛田淳子
ロングセラー『自分を知る本』を、さらに進化させた増補版。本質、大切なこと、仕事、恋愛と結婚、子ども時代、この世で果たすべき使命がわかる本。
直近の前世をあらわす「魂の数」の新解釈がメイン。新たに「22の子ども」を追加したほか、「魂の数」から「鍵の数」へとシフトしない人へのアドバイスを書き下ろしました。
「数秘を道具のように使って、日々をラクに楽しく」という橙花の真髄が表現された充実の内容です。
「長年の悩みの理由がわかった」
「友だち同士でワイワイ読めて楽しかった」
「子育ての方向性が見えてきて、悩みが解決した」
「新学期が怖くなくなった!」
など、感想を多数いただいています。
前著「自分を知る本」の制作秘話
出版が決まるまで
いまから10数年前、ライターの高橋扶美さんと知り合いました。
高橋さんは、世話好きの姉御肌で、いつも誰かに誰かを紹介したり、PTAの仕事を引き受けたり、人のために東奔西走している人です。
そのころ、数秘術は趣味のひとつで、遊びでお友だちを占うくらいでした。ある日、高橋さんから突然「あなたは鑑定一本で生きていける!」と言われたのです。おまけに「名前は橙花にしなさい!」と。
まさに青天の霹靂、驚きました。だって、店舗デザイナーの私が占い師になれ!と言われたのですから。そして命名まで!
「橙花」という名前のルーツは、私が彼女の引っ越し祝いに贈った「みかんの植木」が由来になっているのではないか?と思います。
彼女の言葉をきっかけに、少しずつお金をいただいて鑑定をしていくなかで、子育て中のお母さんたちの悩みにふれる機会が多くありました。
「ああ、自分に合わない子育てをして、こんなにも苦しんでいる人がいる」ということを知り、そんな悩みを大らかにフォローすべき「おばあちゃん、おじいちゃん」がいない東京という地域の特性を実感しました。そこで「中野区のおかあさんになろう!」と、友人とともに子育て支援サークルを作りました。数秘術とは関係なく、「こたつにみかん」をイメージして「ただいま」って帰ってこられるよう、区立のスペースを借りて。和室でゴロゴロ昼寝をしている疲れきったママもいました。
お茶を飲みながら、お菓子を食べながら少人数で世間話しを聞いたりマッサージしたり。そこにいるあいだ、わが子の面倒を見なくてもいいというルールで、ママ同士が交代で子どものお世話をしました。数秘の鑑定もしましたし、いろんな悩みを話し合いました。その場で話した内容は絶対に外には漏らさないというお約束です。お菓子代はいただきましたが完全ボランティアでした。
なかなか本の話にならなくてすみません。もうすぐです。
高橋さんに支援サークルや数秘の話をしているなかで、「数秘を使って、子育てを少しでもラクに楽しく」という本を企画するに至り、出版社に企画を持ち込みました。
「自分を知る本」の制作過程
文響社の飛田さんという編集者に、高橋さんが企画書をお見せしたところ、興味を示してくれたとのこと。中野サンプラザの1階ではじめてお会いする日、「子育て企画」についてお話しする心づもりで伺ったら、飛田さんから逆に企画書を渡されました。そこには「自分を知る本」と書かれていました。
「橙花式数秘術のエッセンスがつまった分厚い本を作りましょう。子育ての本は二作目でもいいのでは」というのが飛田さんの弁。そして、「本質、恋愛、仕事、怒りポイント、落ち込むとき、お金、引き寄せ」などたくさんのテーマを立て、数字ごとに徹底的に3人で話して原稿にしていくことになったのです。
2017年の春から取材が始まりました。ただお会いして話すだけではなく、宿題も多くて、たくさんの原稿を書きました。なかでも「いいところ1000本ノック」のお題はすごかった。各数字の長所を100項書き出せとの指令。大変でしたが数字の特性を深く考えるよいきっかけになりました。
ライターの高橋さんと編集の飛田さんは、1の要素が強いふたり組で、取材内容の数字が7,8,9と進んでいくほどに納得してもらうのが難しいと感じました。
普段の鑑定では〔9の人〕に9の話を、〔5の人〕に5の話をすればいいわけですが、〔1の人〕に〔33の人〕を理解してもらうことの難しさを知りました。
時にはふたり組VS橙花のバトルになってしまうこともあり、「そうじゃなくて!」と思わず声が大きくなることも。それでも3人ですごした長い長い時間は、私にとって宝物になりました。
この取材内容をテープ起こしに出したところ、膨大な量でした。
テープ起こし原稿をもとに高橋さんが原稿を作成してくださり、まだまだ足りないところを私が書き足し、飛田さんから何度も質問がきてさらに書き……。そうやってできあがったのが「自分を知る本」です。
書けなかったこと
実は取材の場ではかなり厳しいこと、キツイことも話しているのですが、本には載せられませんでした。たとえば体の弱い部分や、なりやすい病気、失敗しやすいシチュエーションなど、知ってしまうとかえって辛くなるようなエピソードは書けません。不安のスイッチを押してしまいそうな部分は全部カットです。ですからレビューなどに「良いことしか書いてない」とあると、「そうなの。そうなの。書けないの。読んだ方にとって呪いになってしまってはいけないから書けません」と思っています。対面でお会いしたときは、目の前のクライアントの表情や受け止めるキャパシティをはかりつつお伝えはしますが、本ではいかにも乱暴で書けなかったのです。
「子ども時代の『2』に込めた思い」
〔2の子ども時代〕には多くのページを割きました。〔魂の数2〕に対する推察は、子育て支援をしていた3~4年くらいのあいだに感じ始めました。
大人になった方々から教えていただいたことを通して、「魂の数2の時代には何かがある」と確信する実例がたくさんあり、2の子どもを守らなくてはいけない、そして2の子ども時代を過ごした大人を癒さなくてはいけないと強く思いました。
「読者」との出会い
2018年8月に本が発売されてから、自分の人生がガラリと変わりました。
驚くほど鑑定の依頼が増え、たくさんの方にお会いする機会に恵まれています。やはり改めて、現代の世間の風潮は、「こうあるべき」が強いんだなあと感じます。大きな目標とか自己実現とか人間の生き方には大義が必要だと思いこまされていることが多いけれど、実際にはそういう努力して結果を残すのを望んでいる人ってあんまりいません、私の知る限りでは。のんびり自由に生きたいと思ってる人が多いし、のんびり生きてなんの問題も起こりません。志のない人生でもじゅうぶん生きる価値があると思います。
ご高齢の方から届いた読者ハガキに、「長年おかしいと思っていたことが解決できた。人生の終わりに間に合った」とあり、それだけでも橙花をやってきた価値があったと嬉しく思いました。
出版後にお会いする方々はみんな私の味方で、世界はなんて優しいのだろうと思うときもたびたびあります。
私の本を読んでくださった方、そしてこのホームページにたどり着いてくださった方に「出会えてよかった」と思っていただけるよう、真面目に丁寧に橙花式カバラ数秘術を続けていこうと思っています。もともと傲慢なところがある私なので、謙虚に続けていこうと思います。